なぜ今政治家(国会議員)はインターネット・SNSを活用すべきなのか

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なぜ今政治家(国会議員)はインターネット・SNSを活用すべきか記事

2013年の公職選挙法の改正によって、インターネット上での選挙活動が解禁になりました。それから10年弱が経ち、選挙活動が欠かせない政治家は、インターネットを様々な方法で活用できるようになっています。政治家にとって、特に国政に携わる国会議員にとって、選挙に向けた自身の認知度を上げること、自身の掲げる政策や政見を世に伝えることは、当然に重要となります。インターネットが世の人々の情報収集の方法として欠かせない重要な媒体になっている今、政治家にとって、インターネットをうまく活用して有権者に訴えかけることは、有効かつ重要であろうことは容易に想像がつきます。では、実際はどうなのでしょうか。世の人たちは、自身と政治、自身と選挙との関係において、インターネットやSNSをどのように活用しているのでしょうか。そして、その活用度合いはどのような傾向にあるのでしょうか。i’m possibleは、公益財団法人明るい選挙推進協会の近年の選挙の調査から、有権者のインターネット、SNSの活用状況を調べてみました。結果、選挙においてインターネット、SNSに触れる機会が増えてきていることがわかりました。

衆議院議員選挙の調査からみるインターネット・SNS等の活用状況

明るい選挙推進協会の第48回衆議院議員選挙全国意識調査から、直近の2017年10月の衆議院議員選挙での有権者の投票行動とインターネット・SNS等の活用状況について見てみました。まず、全体として、様々な媒体の中で、インターネットをどれくらい見たり聞いたりしたか、ですが、媒体全体としてはやはりテレビやポスターが主流です。ポスターやテレビが40%~50%にのぼるのに対して、インターネットによる選挙運動10%程度となります。ただ、様々な媒体の中で、役に立ったかどうかという問いに対して、ポスターやテレビは接触率に比すると役立ったという回答率は低めですが、インターネットは接触した人に対して役に立ったと回答した率が高くなっている傾向(接触度10.3%に対して有用度5.5%)が見れます。やはりインターネットから得られる情報の方が、わかりやすく量も質も高く得られるのではないかと思います。

政治家・国会議員 インターネット・SNS接触率有効率

また、衆議院選挙でインターネットをどのように利用しましたか、という問いに対して、8つの選択肢に対して選んでもらった問いに対しては、以下のような結果となっていました。インターネットの選挙運動関連媒体の接触率は、16.0%となっており、この前回第47回の衆議院議員選挙の時は8.8%であったようであり、増加が見られています。政党や候補者のホームページ・ブログ・SNSを見たかどうかは、合わせて14.9%となっており、やはり第47回の際は、「政党や候補者の HP・ブログ・ SNS を見た」という回答が7.6%であったようなので、やはり増加がみられます。選挙において、政党や候補者のホームページやブログ、そしてSNSを見る傾向が増加しており、テレビやポスターよりも役立つ情報だと思ってもらえている状況のようです。

政治家(国会議員)インターネット・SNS_インターネット上の選挙運動利用_48衆議院選挙

また、インターネット利用者の年齢別の状況を見てみると、10代~20代、そして30代~40代が高くなっています。近年、若者の政治離れ、若者が選挙に行かない、といったことも聞かれますが、こういった若者へのアピールとしては、インターネットやSNSを活用することが有用だと思われます。特に、「動画共有サイトを利用して選挙関連の動画を見た」というところは、18歳~20歳代で高くなっています。動画の活用は若者へのリーチとして有効と思われます。

参議院議員選挙の調査からみるインターネット・SNS等の活用状況

同様に、明るい選挙推進協会の第25回参議院議員選挙全国意識調査から、直近の2019年7月の衆議院議員選挙での有権者の投票行動とインターネット・SNS等の活用状況についても見てみました。傾向はやはり同様で、接触率としてはポスター、テレビが高いのはその通りですが、役立ったと回答した有用度の率は高めになっています。

政治家(国会議員)インターネット・SNS_接触率有用率_25参議院選挙

また、インターネットをどのように利用したかという問いに関する回答としては、参議院議員選挙でも同様の傾向が出ています。この前回の第24回参議院選挙の8.7%に対して、16.5%と、倍増している結果となっています。ニュースサイトや選挙情報サイトを見たという回答も、大きく増加しています。

政治家(国会議員)インターネット・SNS_インターネット上の選挙運動利用_25参議院選挙

また、年齢別で見ると、上記より18歳~20歳代で55.7%となっていますが、これは前回38.2%からの増加で、30歳~40歳代は63.9%で前回38.9%からの増加となっており、大幅な増加となっているようです。(なお、50歳~60 歳代は前回20.5%から32.9%へ、70 歳以上は13.0% から16.7%へと、いずれも若者ほどの増加幅ではありませんが、増加しています)今後の流れを考えると、ますます増加していくことが想像できます。

政治活動、選挙において、特に若者向けにインターネット・SNSの活用が重要

上記に見てきたように、政治や選挙に対する媒体としては、接触度としてはテレビやポスターが高くはあるものの、情報発信の手段としてはインターネット・SNSがますます重要になってきていると思われます。特に、これからの社会を支える若者に対する政治や政策のアピール、政治家としての認知度アップに向けては、インターネット・SNSをうまく活用することが重要になってくると思われます。

【出典】

公益財団法人明るい選挙推進協会

■第48回衆議院議員選挙全国意識調査

http://www.akaruisenkyo.or.jp/wp/wp-content/uploads/2018/07/48syuishikicyosa-1.pdf

■第25回参議院議員通常選挙全国意識調査

http://www.akaruisenkyo.or.jp/wp/wp-content/uploads/2011/07/25san_rep.pdf